回想 マルクス貨幣・信用論の虚構

楊枝嗣朗 著

定価 2,860円(税込)本体2,600円
四六判上製 232頁
ISBN 978-4-8309-5291-3(4-8309-5291-1)
2025年9月2日発行
2025年9月18日発売予定
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貨幣は商品交換から発生し、近代的信用制度は産業資本の創造物であるという『資本論』の常識は、言わば「神話」に類するものであり、「新しい信用論」と呼ばれた「マルクス信用理論体系」なるものも、そうした虚構に依拠して構築されたものである。戦後信用論研究を回顧し、信用貨幣、「信用の基本規定」の誤解、株式会社(有限責任制、法人格成立の根拠)、金融資本論の閉塞を論じる。

主要目次
  • 序 章 マルクス貨幣・信用論の虚構
  • 第1章 支払決済システムと信用貨幣―信用貨幣生成の根拠―
  • 第2章 資本の回転と信用―「信用の基本規定」をめぐる誤解―
  • 第3章 株式会社の成立―有限責任制、法人格生成の根拠―
  • 第4章 金融資本論の閉塞―松井和夫著『セキュリタイゼーション』に寄せて―
  • 文献解題 『イギリスにおける商事法の発展―手形が紙幣になるまで―』(J・S・ロジャーズ著、川分圭子訳、弘文堂、2011年発行)
  • 書 評 『21世紀の貨幣論』(フェリックス・マーティン著、遠藤真美訳、東洋経済新報社、2014年)