本書の独自性はその視角にある。何のための、誰のための統合なのかという視角は一貫している。重要なのは日々、地域で生きる諸個人であり、そこでの生活の質である。また統合の考察を通じて、今後の「このくにのかたち」とそこに生きる個人・住民の生き方を問うている。将来の「東アジアコミューン」を幻視する試論である。