合理的な経済人と風を読む投資家
時間の流れる市場が織りなす物語

亀川雅人著

定価 2,860円(税込)本体2,600円
四六判並製 306頁
ISBN 978-4-8309-5133-6(4-8309-5133-8)
2021年6月25日発行
在庫あり
人間の欲望に群生する資本家と起業家の物語!

生産活動には時間がかかります。生産手段の形成という迂回的活動により、生産時間をゼロに近づけようとすると、資本の報酬である利子もゼロに接近します。それは、資本の参入余地がなくなる成熟社会への道のりですが、私たちの無限の欲望は、常に資本が参入する時間を探し続けています。本書は、人間の欲望を資本という観点から深耕するエッセイです。

主要目次
  • プロローグ
  • 第1章 頭脳派から肉体派まで多様な人間の世界
  •     ―経済社会の模型―
  • 第2章 「見えざる手」に見えないモノ
  •     ―市場による資源配分と市場の陥穽―
  • 第3章 「見えざる手」と「見える手」
  •     ―市場と経営組織―
  • 第4章 個人と組織は異なる
  •     ―人間観に基づく理論構築―
  • 第5章 ロビンソンクルーソーの閉ざされた世界
  •     ―方法論的個人主義の投資理論―
  • 第6章 ロビンソンクルーソーから国家を考える
  •     ―マクロ経済的視点と国家の役割―
  • 第7章 バイパスによる時間の節約(急がば回れ)
  •     ―オーストリア学派の商人的資本理論―
  • 第8章 商人が考える時間
  •     ―生産時間の差異と資本の参入・退出―
  • 第9章 ビデオの映像を止めると?
  •     ―静学的分析と動学的分析―
  • 第10章 人間と時間の動きを捉える
  •     ―投資の経済計算と株価モデル―
  • 第11章 格差と抜け駆けする狡猾な知識
  •     ―時間差と創業者利得の源泉―
  • 第12章 非科学的な閃きを科学的に考える
  •     ―均衡価格と起業家精神―
  • 第13章 国家権力と株式会社はグルなのか
  •     ―貨幣の発行と株主の富―
  • エピローグ