社会科学専門図書出版 文眞堂(文真堂)

『変わる北東アジアの経済地図』

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はしがき

日本を取り巻く北東アジアの経済地図が大きく変わろうとしている。

世界第 2 位の経済大国に成長した中国は,新たな国家戦略である陸と海のシルクロード構想「一帯一路」の実現に向けた動きを加速し,そのウイングをロシア極東や朝鮮半島,日本にも広げようとしている。

ヨーロッパとの問題を抱えるロシアも経済成長が続く北東アジアへの接近を図り,中国や朝鮮半島との関係を深め始めた。日本との間でも首脳レベルの対話を進め,北方領土での共同経済活動を含め,経済協力の拡大に向けた話し合いが動き出した。

韓国やモンゴルも新たな市場を求め,独自の地域経済戦略を稼動させる。世界的な規模で進む地政学的変化を踏まえ,北東アジアでも今後の経済秩序をにらんだ競争と協力が繰り広げられようとしているのだ。しかも,それはこれまでにないスピードとスケールで進もうとしているのである。

経済がグローバル化した 21 世紀の時代にもかかわらず,この地域に冷戦時代の残滓が存在するのは事実だ。北朝鮮の核・ミサイル問題はじめ安全保障や歴史認識などで複雑な問題が残っている。各国で高まるナショナリズムを背景に,対立はむしろ激しくなっているようにも見える。

しかし,そこで立ち止まるのではなく,むしろ経済の力を使って現状を変えて行こうとする積極的な動きもある。地政学ならぬ「地経学」という言葉が登場し,将来を見据えて新たな経済連携を探る動きが同時に進んでいるのである。こうした動きはいつか,第2次世界大戦や東西冷戦の終結に次ぐ大きな変化につながる可能性がある。

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