社会科学専門図書出版 文眞堂

斬新な視点から理論と実務を最新資料で解き明かす。

笠原俊宏 著

国際家族法新論 補訂版

〈はしがき ... 1 / 3〉

本書は、大戦後、半世紀余りに亘るわが国の渉外家事事件を想定し、そこに見られた多種多様な法律問題に関して、その解決のための根拠となる実定法についての基礎理論を解説すると共に、特に比較法的観点から、欧米国際私法等の動向を踏まえて、わが国の国際家族法を巡る解釈論、更には、立法論を試みようとするものである。

一九世紀末以来、わが国における国際家族法の主たる法源は、「法例」という名称の法律であったが、それは、幾度かの改正を経て、その内容も制定の当時のそれと比べて大幅な変更が加えられて、現在に至っている。国際私法総則及び家族法関係の諸規定については、ドイツ国際私法に倣い、平成元年に大きな改正が行なわれた。又、その後、ECローマ条約等に倣い、平成一八年に財産法関係の諸規定を中心とする大改正が実行され、その際には、内容ばかりか、片仮名文語体から平仮名口語体へ改められ、従来の法律の名称も「法の適用に関する通則法」へと一新されている。従って、本書が論及の対象とする家族法関係の諸規定の多くは、平成元年に改正されて現在に至っているものであり、施行されてから、未だ二〇年に達していない規定が少なくない。それにも拘わらず、弱者保護の理念の深化や新しい婚姻形態の出現等を背景に、諸国国際家族法における改革は更なる進展を続けており、わが国際家族法との距離を拡大している感がある。又、平成元年の改正法例には、当初から、その妥当性に疑問が抱かれるべき点が随所に見られたというのが、卑見からの率直な感想である。本書において数多くの提言が試みられた所以である。

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内容紹介